いろいろなところで、紹介がされているので、
みなさんの中にもご存知の方が多いと思いますが、迷い犬のシェルターを運営し、
里親捜しから、その引き渡しまでを行っている、イギリスのバタシー・ドッグス・ホームをご紹介します。
イギリスといえば、動物愛護の国とよく言われます。日本とは、現在に至るまでの歴史や細部で大きな違いがあるため、
一概にこの格差を批判するのはおかしいかもしれませんが、少なくとも、
犬たちにとっては天と地ほどの差があるような気がしてなりません。
ボランティアによって、バタシー・ドッグス・ホームの様な施設が運営されている事。
そして、何よりも、万が一、迷い犬となっても時間が来たので殺処分にされるという保健所の様なシステムもないのですから。
さて、バタシー・ドッグス・ホームは、1860年にメアリー・テルビーという一人の女性によって設立されたのが始まりです。
この時代は貧困の時代でもあり、よくこの当時に、犬のために設立することができたと関心させられてしまいます。
彼女の意志は寄付やボランティアによって脈々と引き継がれて行きました。
彼女の死後、1871年に現在のテムズ河南岸のバタシーに移り(これが現在の施設名となっている)現在に至っています。
今では、バタシー地区の施設も含め、3つの施設が出来ています。
バタシー・ドッグス・ホームではトップページにもありますが、「4つのR」活動が行われています。
Rescue(救助)、Reunite (再会)、Rehabilitation(リハビリ)、Rehome(リホーム)です。
毎日50頭くらいの迷い犬が保護され、リハビリを受け、新しい飼い主のもとに旅だって行きます。
また、ロンドン警察組織とも連携がとれており、交番に犬を持って行くだけで、保護できるようになっています。
特筆すべきところは、バタシー・ドッグス・ホーム出身の犬「バタシードッグ」を里親として
迎えるにはかなり厳しいチェックに合格しないと実現しないというところです。
事前調査、事後調査、家族全員の面接やホームチェック(家庭訪問)など徹底した審査が入ります。
この事は里親になる側も、犬を飼うために大きな責任が必要になることを自覚出来て、逆に良いのかもしれませんね。
人間の子供を養子に迎えるよりも、バタシーの犬の里親になる方が難しいと言われるのは、このためです。
飼い主は皆、「私の犬はバタシードッグなの」と誇りにしているところが何ともうらやましいではないですか。
ある意味、ステータスとも呼べるのです。
「犬を迎える一つの方法は、シェルターから犬を迎える事」そんな考え方が、
日本にも根付くかどうかはまだ分からないですが、動物愛護の観点からも、
もっとピュアに人と犬との幸せな共存という観点からも、イギリスに習うべき事はまだまだ多いと考えさせられます。 |