【泌尿器系の病気】
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作成者:JHPA事務局
猫のおしっこの状態で病気を早期発見する事もできます。泌尿器系の病気以外にも排泄物は健康のバロメータですから、計上、色、ニオイ、回数などを細かくチェックし、病気のサインを見逃さないようにしましょう。また、症状によっては緊急を要する場合があります、そのような場合には、ただちに病院へ連れて行きましょう。

〈チェックポイント〉
頻繁にトイレに行くが、尿がでない。
尿の中に砂や石が混じっている。
血尿が出る。
 ⇒尿石症の疑い

飲水量、尿量が増える
 ⇒慢性腎不全、子宮蓄膿症(メス)、糖尿病、甲状腺機能亢進の疑い

飲水量、尿量が減る。
 ⇒急性腎不全の疑い

尿がでない、下腹部を触ると痛がる。
茶褐色や赤褐色の尿、血尿がでる。
 ⇒膀胱炎の疑い

血尿が出る。
 ⇒玉ねぎ中毒

◆◇◆泌尿器系の病気一覧◆◇◆

■尿石症(にょうせきしょう)
腎臓や尿管、膀胱、尿道に尿石ができ、排尿が困難になる病気です。特に尿道が細く長いオスに多く見られます。悪化すると尿毒症になり命に関わる事もあります。
日ごろから食事に注意し、水分を十分に取らせるようにしましょう。

■慢性腎不全(まんせいじんふぜん)
腎臓の機能が少しずつ損なわれていって、やがては腎臓が正常に働かなくなるという、6歳以上の老猫に多い病気です。初期症状は多飲多尿、食欲の低下などです。症状が進行していくと、よだれ、嘔吐、体重減少、貧血などが見られ、最悪の場合、尿毒症を発症し、命を落とす恐れもあります。治る病気ではありません。失われた腎臓の機能が回復する事はないので、食事療法や内科療法 を行い、残された腎臓で生活していく事になります。

■急性腎不全(まんせいじんふぜん)
猫の腎臓が急に働かなくなる病気は、腎臓自体に問題がある場合が多いものの、雄猫の尿石症などによって尿がでなくなることに続くものも少なくありません。尿は作れても出せない状態になって、次第に腎臓もダメージを受けるためです。また、 何らかの原因で腎臓内の血液の量が減ってしまうと腎臓が血液をろ過できなくなり腎不全に陥ってしまいます。
症状が軽い場合は治療を行えばすぐに回復で きます

■膀胱炎(ぼうこうえん)
大腸菌やブドウ球菌が膀胱内で繁殖して炎症を起こす病気。オスは結石、メスは細菌感染が原因になることが多いようでう、尿石症など他の病気の可能性もあるので検査をしてもらいましょう。早期発見、早期治療が大切です。

■子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)
子宮の内部に膿がたまる病気です。通常は5歳以降に多くみられますが、若年層でもかかることはあります。発情後に細菌が子宮内に入り込んでしまい増殖して起こる事が多いです。多量の膿がたまった場合腹部が膨らむこともあり、多くの症例で多飲多尿がみられます。子宮が破れて、腹腔に細菌が漏れ出た場合、腹膜炎をおこし、短時間で死亡します。
早めに避妊手術を受けることで予防することができます。

■糖尿病(とうにょうびょう)
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの不足によって、血液中の糖分(血糖値)が高くなる病気です。肥満やストレスのほか感染症などの他の病気が原因で発症します。
食事管理と運動をしっかりさせて日ごろから肥満には注意しましょう。

■甲状腺機能亢進(こうじょうせんきのうこうしん)
老ネコの10頭に1頭はこの病気になっていると言われています。
甲状腺の過形成や腫瘍などによって甲状腺ホルモンが異常に分泌される病気です。性格が活発になったり、攻撃的になることもあります。

■玉ねぎ中毒
急性中毒の場合、1日から2日で赤や赤褐色の尿が出てきます。さらに下痢や嘔吐を起こします。貧血に陥ることがあり、眼の粘膜が白くなったりします。玉ねぎには犬の赤血球を溶かす成分(アリルプロピルジスルファイド)が含まれているために起こります。
気がついたら、すぐに吐かせましょう。重症の場合は、輸血が必要です。獣医師にかかりましょう。

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