【猫のしつけ】
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作成者:JHPA事務局
〈猫のしつけとは〉
犬は群れを作ってリーダーの指示に従う習性がありますが、単独生活を送ってきた猫は自分で判断して自分の身を守る習性があります。猫は飼い主に服従するという感覚で一緒に暮らす訳ではありません。猫のしつけは犬のように飼い主がリーダーになって行動をコントロールをするという意味ではなく、飼い主と快適に生活を送るためのルールを作ってそれを守る事を指します。当然ですが、しつけは子猫の時期に実行すると効果的ですが、成猫でも根気が必要ですが不可能ではないので、じっくりと取り組みましょう。

〈爪とぎのしつけ〉
猫は家具や柱、壁等を好んで爪をとぎます。猫にとっては爪とぎは重要な行動の一つで、爪の手入れをして自分の身を守ったり獲物を捕まえたりする大切な爪なのです。このため、爪とぎで古い爪をはがして、鋭く尖らせておく必要があります。また、爪とぎはストレス発散の効果もあるので、猫にとっては必要不可欠な行為でやめさせることは困難です。

●猫に大切な家具や柱等を守りながら、共生していくためには…
・爪とぎの場所をしっかり教える
・爪とぎ器を猫のわかりやすい場所に設置します。
・設置場所以外で爪とぎをしようとしたら、爪とぎ器の場所に連れて行きます。

もし他の場所でといでいたら、大声を出すなどして爪とぎ行為をやめさせ、爪とぎ器のある所に連れて行きましょう。爪とぎ器に前脚をこすりつけてニオイを付けてあげると、自分の匂いがつくので、猫も理解しやすいです。

また、猫が好む爪とぎを用意してあげることも大切です。猫は自分のおかれた環境の中で、使い心地の良いものを選んで爪とぎを行います。猫が気に入る爪とぎは高さが少しあって、ガサガサして爪がひっかかる場所になります。市販されている爪とぎ器の種類として、ダンボール、木製、カーペット等のタイプがあり、形もさまざまなものがあります。猫の爪とぎ行動をよく見て、気に入るものを選んで使用して下さい。

●爪とぎされたくない場所を守る
大切な家具や柱、壁等は飼い主が守るしかありません。爪とぎがしにくいように、アルミ箔やビニール等で覆う事で爪とぎを避けるようになりますので、大事な場所を守る手立てを考えましょう。また、定期的に爪切りをしてあげることにより、被害を小さくすることもできるでしょう。

〈噛みグセのしつけ〉
噛み癖のある猫になってしまうといつも生傷が絶えない状態になってしまいます。社会化期を十分に過ごせていない場合、噛む力加減がわからなかったりしますので、日常生活の中で教えていく必要があります。元来ハンターであった猫ですから、猫は動くものにとても興味があり、人間の足の動きを見て噛んでしまうこともあります。また猫は噛みつく前に腰を落としたり、目を丸くして足の動きに注目していることがありますから、そのようなときには噛む前に対処し、噛まずに済むようにしてあげるといいでしょう。どちらにしても、根気よく続ける必要があります。

・噛む加減を猫に教えていくにはいつもと違うトーンで本気で叱ったり、時には無視をして対応する。
・人の足を噛みそうになったときは、水の入ったスプレーや大きな音を立てると効果的。
(ペットボトルにおはじき等を入れて音をたてる道具等を用意)
・咬もうと獲物を狙うように腰を落とした格好になったときには、事前に気をそらすようにしてあげる。

遊ぶ時は人間の体を使うのではなく、必ずおもちゃを使用して遊ぶように心掛けるようにして下さい。

〈トイレのしつけ〉
猫は砂のあるところで排泄をする習性を持っていますから、その習性に合わせたトイレを設置してやることでスムーズにトイレを覚えてくれます。このため犬にくらべトイレのしつけで手間がかかるということはそれほどありません。トイレは専用の猫砂をいれて発見しやすい場所に設置してあげる、最初はトイレに行きそうなときに、砂のある場所に連れて行ってあげると、早く覚えることができます。たまにトイレの場所を覚えられずに失敗してしまう子もいますが、活動範囲の中でできるだけわかりやすい場所に設置してあげましょう。また、猫は綺麗好きなので、トイレは清潔に、そして落ち着いて排泄ができるような場所が好ましいです。

〈ケージに慣らすしつけ〉
猫はとてもデリケートで環境の変化に大変ストレスを感じる動物です。新しい環境や飼い主さんの生活スタイルに慣れるまである程度の時間が必要になりますから、引っ越しや家族が増えるなどの環境が変わったときは暫くの間ケージを使用したほうが、人間も猫も安心して生活を送ることができます。そのため、普段からケージに慣らしておいてあげると、いざというときに役に立ちます。最初は鳴いたりすることもありますが、食事やおやつをケージの中で与えていると少しずつ慣れてきます。

猫を保護したり、新しく猫を迎えた場合、慣れていない猫を家に放すと思いもよらない場所に隠れてしまい、捕まえられなくなるということがよくあります。家の中は危険な場所もたくさんありますから、迎えてすぐの猫はしばらくケージに入れて様子を見ましょう。ただし、ケージには長時間入れっぱなしだとストレスが溜まりますから、目の行き届かないときに使用し、普段は自由に出入りできる猫にとって安全な室内環境を作ってあげることが大切です。

ケージを使用する例
・人が窓やベランダを開けて布団や洗濯物を干すとき。
・玄関や窓を開けるとき
・人間が食事をとっているとき
・病気やけがで安静にしなければならないとき
・来訪者がいるとき など

〈キャリーバッグに慣らすしつけ〉
キャリーバッグは動物病院やその他外出しなくてはならないときに使います。若いときは健康で体力もあり、動物病院にお世話になるなんて・・・と思うかもしれませんが、ワクチン接種や健康診断など、高齢でなくても動物病院に行くことは必要です。近所だから抱っこして連れて行くという人もいますが、動物病院には猫以外の動物、特に犬が多くいますし、驚いたりして腕をすり抜けたりすることを考えると大変危険です。どんなによく飼い主に懐いている猫でも外出するときはキャリーバッグに入れるべきでしょう。ケージ同様、まずはおうちの中で慣らしてみましょう。最初は鳴いたり暴れたりしますが、とにかく慣れてもらえるよう根気よく続けてください。キャリーバッグの中に入れて、飼い主の足元や膝の上に置いたりしてできるだけ安心させてあげられれば、そのうち慣れてくると、キャリーバッグの中で眠ってくれたりもします。

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